(ジュイスデフォーラ ブラジル) 皆様に幸運が訪れますように!!
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心動かす企業経営 vol.485
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<中小企業が大企業に価格で勝つ>
おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の
金本淳(かねもとあつし)です。
「中小企業は大手と価格で勝負しても
勝てないので価格で勝負すべきではない」
というのが一般的な考え方です。
それは、大手は大量仕入、大量生産など、
いわゆるスケールメリットを
活かすことでコストを下げられるからです。
ところが、その常識を覆している
中小企業があります。
その企業は広島に本社を持つ
株式会社21(トゥーワン)という
メガネチェーン店です。
従業員数130名ほどの中小企業です。
21は1986年に、広島県内60%のシェアを
誇る大手メガネチェーンを辞めた
(あるいは辞めさせられた)メンバー
によって設立されました。
大手チェーンがいる同じ県内、同じ業界で、
新しい会社を起ち上げるのですから、
簡単なことではありません。
そのため、とにかく
「どうしたらつぶれないか」
だけを徹底的に考え、行きついたのが
「価格」だったそうです。
ちなみに、
上場企業メガネ店の原価率は21%~34%、
一方、メガネ21の原価率は70%です。
この原価率を見ても、普通なら、
大手に対して価格で勝てるわけないと考えます。
でも21の発想は少し違いました。
仕入数が少ないので仕入価格は
大手より高いのは仕方ない。
それでも大手より安く販売するためには、
社内のコストを徹底的に削減する。
それしかないという発想だったのです。
そして、
コストを徹底的に削減するために
考えたのが、
「丸見え経営」という手法。
会社に関する全ての情報
(給与明細、財務状況、全ての稟議など)を
社内ネットで新入社員やパートさん含む
全社員に公開することで
徹底的に効率化、コスト削減を
図るというものです。
例えば社員の給与も給与明細にして渡せば、
印刷代や人件費がかかりますが、
社内ネットで全社員の給与明細を
オープンにすれば、その費用を
削減することができます。
普通に考えて
給与明細をオープンにすれば、
社員同士で問題が起こりそうですが、
会社への貢献度もオープンにしており、
人事評価もみんなで決めて
公開しているため、
特に問題はないとのこと。
稟議もすべてネット上で行われます。
何か提案や購入したいものなどがあれば、
ネット上に書き込む。
皆がそれを見て、反対意見がある時だけ、
その内容を書き込む。
反対意見がなければ、実行OKということ。
普通の会社のように決裁をする
幹部がいないのです。
評価も管理もしないので、
管理職は不要。
部長、課長なども存在しません。
だから役職手当などのコストも
かかりません。
社長は対外的な意味でいますが、
年期は4年で交代です。
また社長だからと言って、
手当がつくわけではなく、
社長に就任しても、
基本的な仕事内容は変わらず、
今まで通り接客、検眼、調整などが
主な仕事です。
もちろん社長室などもありません。
取締役も数名いますが、
本部へ常駐せず、一般社員と同様に
店舗でお客様の接客をしています。
また、メガネ21グループは全国に
約100店舗近くあります。
普通ならその統括のために本部に、
総務、人事、経理などの専門部署を設けます。
ところが21にはそういった部署は
サイト内で得意な人が兼任し、
各店、各自が自主運営することで、
本部を最小化させています。
そのため本部は実質4名のパート社員で
運営できています。
普通なら本部だけで人件費や家賃など、
莫大な費用がかかりますが、
21ではパートさんの給与しか
かかりません。
また、価格という意味では
こんな工夫にも取り組んでいます。
一つ目は、「均一販売はやらない」
ということです。
一般的に、今世間で流行りの
メガネチェーン店の手法は、
フレームとレンズがセット7千円、
1万円、などの均一販売です。
この販売スタイルは
「あらかじめ価格が決まっていて買いやすい」
という魅力があります。
ただ、その一方で、同じ価格でも
フレームとレンズの種類の違いで、
得するお客さんと損するお客さんが
出てくるそうです。
21では全員に得してもらいたいので、
流行りのセット販売はやらない
と明確にウェブサイトに謳っています。
二つ目は
「セールやキャンペーン、
ポイント制度などもやらない」です。
それは均一価格と同様に、
全てのお客さまに対して公平では
ないからという理由です。
21がお客さんに提供したいこだわりは、
いつ来ても、同じ安い価格で提供する
といういわゆる
EDLP(エブリデイロープライス)
なのです。
セールやポイント制度などを導入すると、
業務が複雑になってしまい、
その分コストに影響してしまう
というのもあるようです。
三つ目は、
「特定のブランドだけ割引して
販売しているのではなく、
すべてのブランドを割引している」
そして、最後は、
「他社が行っている手厚い保証はしない」
です。
フレーム保証は期間を定めていません。
通常使用下のフレームの破損・不具合
については半年~1年を目安に、
交換またはメーカー修理にて
ケースバイケースで対応するそうです。
これは、不可抗力で破損したにも
かかわらず、期限を1日や1週間
オーバーした場合には保証の対象にならず、
期間内であれば故意に壊しても
対象となることも理不尽に感じるから
だそうです。
また、一律の保証期間を設けたり、
規定を細かくすると、
全体のサービスが低下する
と考えているというのもあるようです。
但し、自損の場合でも
お店でできる修理であれば、
金属が折れたのを溶接する修理などでも、
何年経っても、無料で対応する
と謳っており、サービス性を
きちんと担保しています。
ということで、メガネ21は、
徹底的に経営を合理化してコストを
削減しているのです。
そして、仕入れ量の関係から
上場企業メガネ店より圧倒的に
高い原価率であるにもかかわらず、
その分を社内経費削減することで、
メガネ21のモットーである
「いいものをお安く」
を実現しているのです。
しかも、
安かろう悪かろうではありません。
お客様の利便性やアフターサービスの質を
低下させない工夫も同時に
実現しているのです。
こんな風にコスト削減をしていると、
従業員の給与も少ないんじゃないか?
と思われるかもしれません。
でも新卒の給与は業界内でもトップですし、
儲けは基本社内に残さないということで、
すべて社員に還元する仕組みに
なっています。
詳細を説明していると
長くなり過ぎるので割愛しますが、
社是には
「21は社員の幸福を大切にします。
社員は皆様の信頼を大切にします。」
と掲げており、
それを実現するためのしくみが
きっちり整備されていることを
つけ加えておきます。
ということで、
今回、中小企業が価格で大企業に勝つ
という特異な事例を紹介しましたが、
いかがでしたでしょうか?
一見不可能そうでも諦めない、
常識にとらわれずに
どうしたらできるかを考えてみる
そういう大切さを改めて私は感じました。
また、それに加えてもうひとつ
すごく大切だと感じたことがあります。
それは、
「明確なビジョンやコンセプトの大切さ」
そして、
「それらと各取組の一貫性を徹底的に
貫く大切さ」
です。
メガネ21の場合、経営方針として
謳われているのは
「日本一の安さと社員の幸せを追求」
です。
そして、このビジョンを実現するために
全ての取組みやしくみが設計されています。
単にビジョンを掲げるだけでなく、
どうやってそれを実現するのか?
ということが具体的に世間や従業員に
示されていて、実際にそれを
実行しているのが21の強さの秘訣だと
思いました。
メガネ21のウェブサイトを見れば、
そういったことがとても詳しく
記載されています。
実際、私は
ウェブサイトを見ているだけで
この企業の好感度は増しましたし
次にメガネを作る時は
メガネ21だなと思いました。
求職者の人もこのサイトを見ると
この企業での働き方が
イメージできるのではないでしょうか?
また、こういう風に、一般的な
メガネ店とは一線を画してるので
マスコミにも取り上げられやすくなる。
それを見た、お客さんはファンになる
従業員は会社への愛社精神が湧く
求職者も増える
と色々な相乗効果にも繋がるのだと思います。
皆さんはどう思われましたでしょうか?
ご参考になれば幸いです。
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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先日、上高地に旅行に行ったことを
お話ししました。
素晴らしい体験ばかりだったのですが、
ひとつだけやってしまったことが
ありました。
家に帰ってきてわかったのですが、
妻がどうやら家や車の鍵一式を
無くしてしまっていたのです。
上高地へはバスツアーで行ったのですが
おそらくそのバスの中で落としたのでは?
ということでした。
ツアー会社に問い合わせると、
バス会社に確認していただけるとのこと
でした。
丁度連休のタイミングだったので
休み明けになるとのことでしたが
確認していただき、
やはりバスの中で見つかったそうです。
そして、送っていただくことに
なりました。
今回改めて思ったのは、
日本ってモノを無くしても
戻ってくる確率がすごく高い
これって、本当に日本人の民度が
高いということだと思いますし、
世界に誇るべき(というと大袈裟ですが)
日本の素晴らしいところだということ。
鍵を無くしたという体験は
一見不幸なようにも思えますが
こうやって、無事に鍵が戻ってきて
日本の良さを改めて実感できたことは
実はラッキーなことだったのかもしれません。
ということで、
バス会社の方、そして
こんな素晴らしい日本の国民性に感謝です。
ありがとう!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
今日も素敵な一日になりますように!
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