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心動かす企業経営 vol.96
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<これからの学校教育が企業に与える影響は・・・>
おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の
金本淳(かねもとあつし)です。
昨今、いい意味でも悪い意味でも、
学校教育の話題が数多く
取り上げられています。
先日、たまたま学校教育関連の講座に
参加させていただく機会がありました。
タイトルは
「改訂学習指導要領で子どもたちを
どう変えていこうとしているのか」
~「学力」から「資質・能力」へ?~
というものでした。
名古屋大学の名誉教授で
今は京都の花園大学の教授の
植田健男先生という方のお話しで
とても興味深いものでした。
私がお手伝いをさせていただいている
企業さんの殆どが、人材育成に関する
課題を抱えています。
ですから、人材育成に関するご支援は
私の仕事の中でも極めて重要なものと
なってきています。
そして、そもそもその「人材」が、
子供の時からたくさんの時間をかけて
学んできたのが学校教育です。
子どもたちが、社会に出ていく前の
人格形成に大きな影響を与える学校教育
そこはとても大事であり、
ぜひ聞いてみたい
ということで参加してきました。
話を聞いていて、学校教育の影響って、
やはり大きいなあと
改めて痛感しました。
特に、私自身のことです。
振りかえってみると、今の自分が、
自分が受けてきた学校教育は
自分で考える力がつきにくい教育
=教えられたことを覚えること
(=記憶すること)
が中心の学習だったのではないか
ということ。
働くようになってからは、自分で
色々考えざるを得なくなり、
コンサルタントとなった今では
本当に毎日頭をフル回転の試行錯誤、
そしてアウトプットの連続と
なりました。
でも学生時代の自分は、
自分で考えるということが実は
苦手な人間であったかもしれないと
今になって気づき、もったいなかった
と思っています。
みんながみんなそうでは
ないかもしれません。
でも60年代の高度経済成長期の頃から
これまで日本にはずっとそういう
傾向の人が多かったと思います。
1970年代80年代はまさに学歴社会。
そして、いい学校に入らなければ、
いい会社に入れない、
いい人生が送れない。
まあでも そのために、
頑張って勉強する(=記憶する)。
そんなものなのだと
漠然と思っていました。
公務員や大企業に入れば
終身雇用で給料はそこそこもらえる。
年とともに役職も給料もあがる。
母親が折に触れて、
「大学を出て公務員か
大企業に入るのが一番いい」
と話していたのを記憶しています。
それは、その当時の見方としては別に
間違っている訳ではなかった。
実際そういう社会だったんだと思います。
大量生産大量消費。
企業もグングン成長していける時代。
そういう時代は、
言われたことを忠実に実行できる人
企業のためにがむしゃらに働く企業戦士
そういう人が求められた。
そして、その社会ニーズに合わせた
学校教育を行ってきた。
でもその代わりに子供の本当の意味での
考える力は伸びなかったの
かもしれません。
植田教授が語っていたことで
興味深いなというか驚いたこと。
とある大学に入ってきた学力の高い
学生に、考えさせたり、
意見を述べるような授業を
しようとすると、
こんな風に言われたそうです。
「そういう授業はやめてください。
何をしたらいいかを教えて下さい。
知識を教えてください。」
みたいなこと。
また、
「これまで、我慢してたくさん
勉強してきて、やっと大学に入った。
大学を卒業したら、
働かなければなりません。
大学に入ってまでたくさん
勉強したくありません。
それまでは、ゆっくりしたいんです」
みたいなことも。
優秀と言われている大学の生徒から
そんなことを言われて、
教授は、愕然としたそうです。
全員の学生達がそうとは限りませんし、
昔よりはそういう考え方の学生は少なく
なってはいても、まだまだ
いるようにも思います。
これってもったいないことですよね。
だけど、これまでの日本の教育は
そういう子供たちを
多く育ててきたのは事実です。
では、これから始まろうとしている
新しい学習指導要領はどうか?
文科省のホームページに書かれた、
「改訂の思い」
には以下のように書かれています。
「学校で学んだことが,子供たちの
『生きる力』となって,明日に,
そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が,どんなに変化して
予測困難な時代になっても,
自ら課題を見付け,自ら学び,
自ら考え,判断して行動し,
それぞれに思い描く幸せを
実現してほしい。
そして,明るい未来を,
共に創っていきたい。
2020年度から始まる新しい
「学習指導要領」には,そうした願いが
込められています・・・(以下続く)」
さらには、
「『社会に出てからも学校で
学んだことを生かせるように』
ということで、以下の3つの力を
バランスよく育みます」
と書かれています。
学んだことを人生や社会に生かそうとする
「学びに向かう力、人間性など」
実際の社会や生活で生きて働く
「知識や技能」
未知の状況にも対応できる
「思考力、判断力、表現力など」
でもその一方で、
逆光していると思うこと。
それは、学校での教科以外の行事が
どんどん削られている。
自分の息子が通う小学校も、
どんどん行事が減ってきています。
マラソン大会廃止、
学習発表会の規模縮小、
運動会の学年単位での遊戯廃止、など
勉強以外の色々な行事を通じて、
本来、人としての人格形成が
育まれるのだと思います。
一緒にみんなで何かを作り上げることで
人との付き合い方や協力することを
覚える。
新しいクラスでまだ馴染んでいない
時期に、遠足があると、
それがきっかけで仲良くなれたりなど
そういう科目以外の行事には
色々意味があると思います。
でも、先生たちの労働時間の
問題などから、そういうものが
なくなってきている。
完全に、これから向かおうとしている
方向とは現時点では逆の動きに
なっているように思います。
一方で、今、大学入試も変えていこう
という動きになっていますが、
まだまだ途上のようです。
これから、「学力」だけではない
本当に「自立できる力」を持った人を
育てていくことは国の生き残りを
かけても大事なことだと思います。
でもなかなかハードルは高そうです
では、こういった国の動きに関して、
企業への影響はどうでしょうか?
当然、企業に入ってから、
そういう人材に育てるという努力も
必要だと思います。
でも本当は、一番多感な時期である
子供時代に、豊かな教育をみんなが
受けることができれば、それは企業に
とって、すごく有難い話につながるのだ
と思います。
ある程度「即戦力で使える人材」を
学校教育を通じて育ててくれる
というわけですから。
でもその反面、企業にとってはますます
厳しい時代になってくる可能性も
あるのではないかと思います。
もし、学習指導要領に掲げられるような
人材が増えればどうなるか?
つまり、自分たちで考える力を持った
子供たちが増えれば、そういう子供たち
は、本当の意味でいい企業と呼ばれる
ところでしか働かなくなるかも
しれません。
もしくは就職してもダメだと思うと
すぐに見切りをつけてやめてしまう。
そういう可能性が高くなると思います。
そうならないためにも、企業自体が、
そういう若い人材の能力を生かす
土壌をつくっていないといけない。
もしそれができなければ、
その企業には特に良い人材が集まらない。
ということが起こるような気がします。
企業の二極化がますます進む。
そんな可能性があると思いました。
そのためにも、
これからの企業がやるべきこと。
それは、益々、本当の意味での
「魅力的な企業づくり」
ではないでしょうか?
そこで働く意味、働く人の人生を
豊かにできるような企業づくり
それが大切だと。。。
まあ、これは、そもそも学習指導要領が
どう変わろうが、必要なものです。
ただそれを、益々考えていかなければ
ならない時代になってきたなと。。。
今回の講座を聞いていて、
そんなことを思ったのでした。
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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今回は、上に書かせていただいた講座で
一緒に議論させていただいたメンバーの
方々へのありがとうです。
今回、講座を聞いた後に、
同じテーブルの参加者と議論する場が
ありました。
そこで、本論とは直接関係ないのですが
ある参加者の方からこんなことを
聞かれたのです。
「なぜ、従業員を雇用しようと
思わないのですか?」
というものでした。
また別の方からは、
「従業員を雇用していない人の
コンサルだとちょっと説得力がない
のでは?」
なるほど、経営者の方だとそういう
疑問がわくのだと思いました。
これまで直接そういうことを聞く機会も
なかったので、そういう風に思う人が
いるんだと言うことを教えていただいて
有難かったです。
今回のそういった質問から改めて
そこを考えることができたからです。
ちなみに
私が、従業員を雇用していこうと
思わない理由はこうです。
それは、自分の提供するサービスは
自分にしかできないから。
私は、自分の仕事はタレントさんや
俳優と同じだと思っています。
つまり商品がじぶんそのもの
タレントさんや俳優さんが、従業員を
雇用して、その人の代わりです。
というわけにはいかない。
一般的な企業さんのように、
何か製品を作ったり
決められたサービスを提供する
そういうものとは違っていると
思っています。
自分に仕事を頼んでくれる人や企業は
私そのものを買ってくれていると
思っています。
自分が、従業員を雇用して、その人を
教育して、その従業員をコンサルとして
派遣してしまう。それは
求められていることと違うのではないか
と思います。
サラリーマン時代、コンサル会社に
仕事を頼むことが何回かありました。
でもその場合、何人かで来る
コンサルタントさんのレベルが
全然違いました。
チームでやってある程度の品質を
確保するというやり方なのだと思います。
でも、自分はそういったコンサル会社
とは違うことをやりたいと
思っています。
自分自身が商品となって、自分にしか
できないサービスを提供すること
それが自分の使命だと思っています。
人を雇用していないという点をカバー
できる経験を自分は持っているとも
思います。
長年のサラリーマンの経験。
そこで働く側の気持ち、育てる側の立場
両方を経験しているという強みもあります。
どこの部署でも50人以上の人がいました。
規模的には中小企業とそれほどかわりません。
またいろんな企業と関わってきているという
経験もあります。
自分の会社ではありませんが、他社に
入って人を育てることを一緒にやっていると
いう経験もあります。
そうやって考えると、自分が従業員を
雇用していなくても、いいんじゃないかと
これまで、真剣にそういうことを
考えたことがなかったので、今回
ご指摘をいただきとても良かったです。
頭の整理をすることができました。
だから本当に感謝です。
「ありがとうございました」
「
こういう率直な意見を言っていただき
とてもうれしかったです」
「またお会いする機会があれば
同じようにご意見いただけると
助かります。」
「その際はよろしくお願いいたします」
人生は日々勉強ですね。
人の発言から色々気づきを得られる。
毎日少しずつでも進化していきたいです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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