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家族間の事業承継は難しい!その落とし穴と解決法とは?

  • 執筆者の写真: 金本 淳
    金本 淳
  • 6月3日
  • 読了時間: 9分

京都市水族館
京都市水族館

皆様に幸運が訪れますように!!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

心動かす企業経営 vol.515

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<家族間の事業承継は難しい!

その落とし穴と解決法とは?>



おはようございます。


フェリーゼス経営支援事務所の

金本淳(かねもとあつし)です。




ダイブ前から中小企業の事業承継問題

囁かれるようになり、国としても

色々な対策に取り組まれています。


皆さんの会社やお店は何か取組を

されていらっしゃるでしょうか?


今回は、そんな事業承継に関する

お話しです。




先日、以前経営診断をさせていただいた

企業を再訪問する機会がありました。


先回訪問したのは1年少し前でしたが、

今回はその後の進捗フォローという

位置付けです。


その企業さんは、ある履物の製造卸を

されているところです。


事前にお聞きしていたのですが、

先代が昨年の6月に急に逝去された

とのことでした。



以前訪問した際に、後継者はお孫さんで

決まっていると伺っており、

実際、そのお孫さんが後継者として

事業を引き継いでいました。


今回、その後継者さんから、

お話しを伺いましたが、

とにかく急な事業承継だったので

色々大変だったとのこと。



先代はそれまで全く病気とは無縁な

お元気な方だったので、殆ど事業を

承継する準備はできていなかった。


一方、後継者は、それまでは製造を中心に

その他営業を少し担当していたくらい

でした。


そのため、突然の先代ご逝去で、一気に

色々な問題が後継者に降りかかって

きました。



先ず、製造の問題です。


この企業は家族経営の小規模事業者です。


製造する人は、先代、後継者、先代妻、

パートの4名です。


先代がいなくなると、一気に製造能力が

ダウンです。


元々、同業者の廃業により受注が集中し、

生産能力の向上が課題として

発生していたのですが、

そこがさらに深刻化してしまったのです。



また、お金の管理の部分もありました。


金銭管理はすべて先代が行っており、

後継者は何となくしかわからない

状況だったようで、そこも

苦労されたとのこと。


ただ、あまりわからない中でも、

今の価格のままでは、事業として

成立しないことだけはわかった。


また製造能力のひっ迫もあり

物理的に沢山は作れない。


そこで、背に腹は変えてられないので

価格を一律上げ、条件を飲んでもらえない

ところは取引はやめるという気持ちで

交渉をしたそうです。



また、資金繰り改善にも取り組まれた

ようです。


外注先の職人さんには、これまでは

支払期日はだいぶ後にもかかわらず、

先代は商品納入後に即代金を支払って

いたようですが、そこもすぐにやめた。


先代は、昔の非常にお金回りがよく

儲かっていた時代の習慣をそのまま

続けていたというのもあったようですが、

それだけでなくこういう考え方も

お持ちだったようです。


すぐ払ったほうが職人も喜ぶし、

そうしたほうが職人さんとの関係性も

良好でいられるという考え方。


確かにそういう気遣いがあったから

いい関係を続けられたのも事実のようです。


だから一長一短あったので、

一概に悪い訳ではありません。


ただ、問題は、以前とは経営環境も変わり、

経営的にも資金的にもそれ程楽では

なくなってきている中では難しいということ。


資金繰りの厳しい今の状況では

少しでも支払は遅くした方が

助かりますからね。



こういった話はほんの一部で、

それ以外にも事務手続きも含め

色んな面で苦労されたそうです。


この事例からもわかるように、

やはり事業承継はできるだけ早い段階で

計画づくりを始め取り組んで行くのが、

理想だと思います。



実際、利益の出ている企業だと、

株の価値も高くなっていて、

株を承継するにも莫大な税金が発生する

こともありますし、

そこに、事業で使用している土地や建物

といった資産、あるいは個人資産など

も入ってきます。


また、当然兄弟や姉妹がいると

どう財産を配分するかということも

決める必要があるため、

更に複雑になってきます。


相続対策をおこなっていないと

下手すると後継者に株や事業資産を

承継したくてもできないということさえ

起こりかねません。



だから、早目に準備しておけばおくほど

選択肢も広がるし、楽にもなる

ということなのです。



ただ、そうは言いながら、実際に

事業承継の話って、順調にやれている

という企業さんはかなり少ないようです。


特に比較的規模の小さな家族経営の

企業やお店ではその傾向は顕著です。


それはこういった理由だと思います。



ひとつは、家族だからいつでも気軽に

話せるだろうと考えているから


また、

2つ目は相続の話がやりづらい


事業承継をしっかり話そうとなると

どうしても相続の話も絡んできます。


親が生きている間に、相続のことを

家族で話すのがタブーであるという

意識がありますよね。



実際、私も親が生きている間に

財産はいくら持っているとか聞くのは

ためらわれたのでそういう気持ちは

非常によくわかります。



ではどうすればいいのか?



一番簡単なのは

利害関係のない第三者に入ってもらうこと

ではないかと思います。


税理士さんや、弁護士さんや、または

我々のような中小企業診断士などです。



実際、私は、事業承継・引継ぎセンター

という機関から専門家として派遣され、

これまで結構な数の企業さんの

事業承継のアドバイスと計画づくりを

していますが、どの企業さんからも

来てもらってすごくよかったという

感想をいただいています。



やはり、家族だけだと

承継とか相続の話は

やりづらいし、そもそもどこまで

話しをしておけばいいのかわからない

ということも多いでしょう。


また、仮に話の場を持っても家族だけだと

感情的になってしまい

議論が進まないという

事もあります。


第三者がいると冷静に話ができる

というメリットがあります。



結局、家族経営の場合、親と子供の関係は

そのまま企業でもその関係に

なりやすい。


経営者はいつまでも息子や娘を子供扱い

してしまう。


また、他人の話なら聞くが、

家族である後継者から何か意見されると

素直に受け入れることができない。


一方、言う側の後継者も親に対しては

遠慮して言えないということも多い。


言ったとしても聞いてもらえなかったり

家族なのでついついお互い感情的になり

言い争いになって終わってしまう

ということもある。



先程の価格の話も、支払いタイミングの話も

そうですが、特にいい時代を経験してきた

経営者さんの中には、どうしても昔の

成功体験が強く残っていて、

その時の商習慣を変えられずにいる

という方が少なくありません。


そこに後継者が良かれと思って

意見しても全く聞いてもらえない。


そうなると後継者が

やる気をなくしてしまうことにも

なりかねません。


でもそこに第三者がいると

意外とスムースに議論ができるのです。




ということで、少し長くなってしまい

ましたが、今回は事業承継に

ついて考えてみました。



事業承継に100%正解はありません。


ただ、早目にどんな課題があり、

どういうことに注意していけばいいのか

というのだけでも理解できていると

安心できます。


だから、早目に着手するのがいい。


それを進めるには第三者に入ってもらうと

比較的上手く整理できます。



生前に無税の範囲で少しずつ贈与していくのか、

税金を払ってでも一括で生前に贈与するのか

兄弟がいると資産をどう分けるのがベストか

事業を安定的に継続成長させていくためには

どんな課題があって、どういう取組を

していけばいいのか

というところまで含め整理し、

アドバイスできます。



しかも、事業承継・引継ぎセンターが

行なっている派遣制度は事業者さんは無料で

利用できるというメリットもあります。


是非、事業承継について計画づくりや

アドバイスが欲しいという事業者さんは

利用いただければと思います。



私のほうに言っていただいても

繋ぐことが出来ますのでご関心ある方は

教えて下さい。




ご参考になれば幸いです。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

<今日のありがとう>

本当は面と向かって伝えたい

でも中々言えない自分がいます

だからこの場を借りて少し...

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上でお話しした経営者さんから

今回、すごく感謝の言葉をいただきました


それは、以前、経営診断をした際に

私の助言した内容についてでした。


先代が会社に入れていた役員借入が

少なからずあったのですが、

その一部を放棄する経理処理を

したほうがいいという

アドバイスでした。


詳細の説明は割愛しますが、

それをやることによって、

税務上も、財務上も大きなメリットが

あったからです。


もし、先代が放棄する前に

亡くなってしまっていたら

無駄な出費になっていたところでした。



先代はすごく愛想と元気の良い方で

私が訪問しても色々お気遣いいただき、

話していてもとても気持ちの良い素敵な

方でした。


ですのでご逝去されたことは

本当に残念に思います。


ただ、あの時にアドバイスした内容が

多少でも残された方々にお役に立てた

ことは大変嬉しく思いました。



今回は先代と後継者さんに感謝します。


ありがとうございました!



そして、先代のご冥福を

お祈り申し上げます。





最後までお読みいただき

ありがとうございました。


今日も素敵な一日になりますように!





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【発行責任者】金本 淳

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