「お客様満足」の落とし穴から抜け出す!理想の顧客とだけつながる経営
- 金本 淳
- 10月21日
- 読了時間: 8分

皆様に幸運が訪れますように!!
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心動かす企業経営 vol.532
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おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の金本淳(かねもとあつし)です。
「お客様満足」
という言葉を、ビジネスの現場で耳にすることは多いと思います。
しかし、この言葉ほど扱いが難しく、厄介なものはないと私は思っています。
なぜなら
「すべてのお客様を満足させることは不可能」
だからです。
多くの経営者や店主は、そのことを頭では理解しています。
それでも現実には、
「できるだけ多くのお客様を満足させたい」
と思いつい無理をしてしまう。
そして気づけば、自分たちの首を絞めている。。。
そんな経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
■ 「値上げできない」ジレンマが生む悪循環
たとえば、こんなケースがあります。
今来店してくれているお客様、取引しているお客様。
「値上げしたら離れてしまうのではないか?」
と心配で、なかなか価格を上げられない。
でもその結果、利益が減り、余裕がなくなり、価値を高めるための投資もできなくなる。
さらに苦し紛れにコスト削減を始める。
無駄を省く合理化ならいいのですが、やり方を間違えるとサービス品質を下げる方向に進んでしまい、結果的に本当に良いお客様が離れていくという悪循環に陥ってしまいます。
■ 「追わない勇気」が必要
値上げで離れていくお客様は、結局のところ
“価格の安さ”
を基準に商品・サービスを選んでいた人たちです。
御社が提供している、あるいは提供しようとしている
「本当の価値」
を理解してくれていたわけではありません。
そんなお客様を無理に追うべきなのか?
むしろ、追わない勇気を持つことが時には必要だと思うのです。
なぜなら、
空いたスペースがなければ、新しいお客様は入ってこないからです。
“去る者は追わず、執着しない”
経営においてもこれは真理なのではないかと。
付き合うのが大変なお客様への対応で時間を取られ、良いお客様への対応が疎かになる。
結果、満足してほしいお客様を失ってしまう。
それは本末転倒な状態です。
■ 値上げは「生き残るための手段」
今の時代、原材料費・人件費・物流費など、あらゆるコストが上昇しています。
そんな中で、競争力のある大手企業ですら値上げをしています。
それなのに中小企業が値上げできなければ、いずれ経営が立ち行かなくなるのは
明らかです。
だからこそ、
値上げを認めてくれない取引先やお客様とは、長期的に付き合うのは難しいと言えるでしょう。
なぜなら、
彼らは「価格」しか見ておらず、あなたの会社やお店が持つ本来の価値を感じているのではないから。
逆に言えば、皆さん自身が、価格以外の価値を十分に伝えられていないという可能性もあります。
■ 自社の“価格以外の価値”を掘り起こす
では、どうすれば
「価格以外の価値」
で選ばれる会社・お店になれるのでしょうか。
答えは、今お付き合いしているお客様、特に良好な関係を構築できているお客様の中にあると私は思います。
「なぜそのお客様は、あなたを選んでくれたのか?」
「なぜ今も取引を続けてくれているのか?」
それを直接聞けるなら、ぜひ聞いてみてください。
もし難しいようなら、これまでにお客様から言われた言葉を思い出してみましょう。
経営者一人ではなく、従業員全員で思い出すのがポイントです。
例えば、
「○○ですごく助かったよ」
「××さんところはいつも△△ですね」
など、
ちょっとしたポジティブなコメントでいいのです。
そういったお客様が評価してくれた言葉の中に、自社の本当の強みや価値が必ず隠れています。
それをヒントに、
「もっと伸ばせる部分はどこか」
「他にできることはないか」
を考えていく。
また、お客様があなた(自社、自店)を選んだ“きっかけ”を掴めれば、
それを再現するにはどうすればいいのか?
を考えていけばいいのです。
いいお客様との繋がりのきっかけにはきっといくつかパターンがあるはずです。
闇雲に何かに取組むより、そこを紐解く方が近道なはずです。
そうすれば、自社や自店の価値を理解してくれる理想のお客様を増やしていくことができるのです。
■ “理想のお客様”と付き合う経営へ
すべてのお客様を満足させようとするのは無理です。
むしろ、自分たちが理想とするお客様にだけ満足してもらう経営を目指すべきです。
今回はたまたま値上げを受け入れてくれないお客様の話を例にだしましたが、価格だけの話ではありません。
値段の問題以外でも自社の価値観と合わないお客様とは無理に付き合わない方が良いのではと。
自分たちの価値観に合わないお客様を無理に引き止めるために、時間とコストを使うのはもったいない。
その分のエネルギーを、
「本当に理解してくれるお客様」
へのサービス向上に注ぐ方が、結果として長期的な利益につながると思うからです。
そして、そのためにはまず、経営者自身のマインドを変えること。
「すべてのお客様に好かれようとしない」
と決めることがスタートです。
そして、
自社が目指す価値提供を明確にし、それを活かす取り組みを進めていく。
結局のところ、経営の本質はそこにあるのではないかと私は思います。
最近では、モノの断捨離が流行しています。
不要なモノを手放すことで、
本当に大切なモノだけを残し、
生活の質を上げる考え方です。
空間は限られています。
その限られた空間が、不要なもので一杯だと、いいモノが入って来る余地がありません。
スペースを意識的にあけて初めて必要なモノが入って来るのです。
すべてのお客様に執着するのではなく、自社の理念や価値観に共感してくれるお客様、
価格以外の価値を理解してくれるお客様
との関係に集中する。
難しいお客様との関係は見直してみる
そうすることで、経営がシンプルになり、スタッフの士気も上がり、結果的に良い循環が生まれます。
■ 執着を手放した先に見えるもの
私自身も、これまでの経験を通して、そのことを実感しています。
少し考え方が合わない仕事や取引先に無理に執着すると、結局どちらにとっても良い結果にはならない。
しかし、思い切ってその関係を手放した途端、不思議なくらい自分に合った仕事やお客様との出会いが増えた。
そういう経験を数多くしてきたので、それは間違いないと信じています。
経営とは、“選ばれる努力”と同時に、“選ぶ勇気”
正に相思相愛の関係が必要なのだと思います。
どんなお客様と付き合うか?
それを意識的に選ぶことが、これからの時代を生き抜く中小企業にとって、ますます重要になるのではないでしょうか。
■ おわりに
「お客様満足」
という言葉に振り回されていませんか?
すべてのお客様を満足させる必要はありません。
むしろ、
自社の価値を理解し、共感してくれるお客様に満足してもらうこと。
それこそが、
『本当の意味での“お客様満足”』
だと思います。
ご参考になれば幸いです。
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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週末に近くの神社で、長久手市文化の家という公共の文化施設が主催する芸術イベントが開催されていました。
17時ごろから見に行ってきたのですが、竹筒やLEDを使った美しい照明など非日常空間が広がっていて、とても心地よい体験ができました。
私たちがお目当てにして見てきたのは、
『トワイライト』
という舞台です。
維新派という劇団が、過去に奈良県曽爾村の野球場で上演した作品を、石作神社の境内に設置された巨大スクリーンで観賞するというものでした。
舞台は野外の野球場、そして内容も普通の劇とはかなり違う不思議なものでした。
あえて中身については説明はしませんが、神社という境内の中の森に囲まれた神聖なスペースで観る舞台は不思議な内容ともマッチしていて何とも言えないよさがありました。
秋の心地よい気候の中、特別な空間で、とってもいい時間を過ごすことができたことに心から感謝です。
素敵なイベントを企画いただいたスタッフの皆様、
ありがとうございました!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
今日も素敵な一日になりますように!
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