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執筆者の写真金本 淳

事業の多角化は企業進化の姿


(2016年4月 ロサンゼルス)

皆様に幸運が訪れますように!!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

心動かす企業経営 vol.399

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<事業の多角化は企業進化の姿>



おはようございます。


フェリーゼス経営支援事務所の

金本淳(かねもとあつし)です。




文具メーカーのナカバヤシって

ご存じでしょうか?


フエルアルバムというと、ピンとくる方も

いらっしゃるかもしれません。


写真を入れておくアルバムです。



最近はスマホで撮って、データ保存

という方も多いので、若い人には

なじみがないかもしれません。


でも、昔は写真を印刷して紙のアルバムに

一枚一枚入れてするというのが普通でした。


そういえば、自分の子供の頃の写真も

フエルアルバムに入れられていました。




それはさておき、先日、そのナカバヤシに

関する記事を目にしました。


「製本工場がニンニク栽培」

というものです。



同社の兵庫工場は、なんとニンニクを栽培し、

ニンニクそのものやその加工品を

製造販売しているようなのです。



元々、国会図書館等や大学の図書館等の

本や雑誌の修復などを行う製本工場でした。


ところが一定の需要はあるものの、

近年の出版冊数の減少、デジタル化などの

あおりを受け、製本の需要が減少。


一方、社会的な使命から製本事業は

やめることはできない。


でも製本事業だけでは、工場の稼働が

維持できなくなってしまうという問題に

直面していたそうです。



そこで、考えたのがニンニク生産。


製本事業は大学の図書館が休みになる

春休み夏休み冬休みが繁忙期。


それ以外の期間が丁度にんにく栽培の

繁忙期となるようです。


そこを上手く利用して、

ニンニク事業を2016年に開始。



ニンニク栽培専門に従事する社員は

11人ですが、それ以外に製本に従事する

職人さんが、25名ほどです。


その職人さんたちが

本職の閑散期にはにんにく事業を支援する

というやり方をとっているそうです。



その結果、今では当初の作付面積の

10倍以上、収穫量は4トンから73トン。


そして、2022年度は、ようやく単体事業

として黒字化を達成する見込みが

ついているようです。




兵庫工場のある養父市(やぶし)は、

企業の農地取得が認められた

国家戦略特区の特例だそうです。


ナカバヤシは企業として初めて農地を

取得し、耕作放棄地になっていた土地を

蘇らせた。


そして、製本技術の継承と地域雇用の安定を

目指す新たなビジネスモデルとして、

製本業と農業の2つを組み合わせ

閑散期を埋める「二刀流事業」を

実現したということなのです。




私は知りませんでしたが、

元々ナカバヤシは製本事業で

創業したそうです。


そして、手帳やアルバムの製造を開始し、

その後、ノートや事務機器、印刷業務の

アウトソーシングなど、

文房具というくくりの中で幅広く事業を

拡大してきているようです。


いわゆる関連多角化と言われる

事業展開です。



こういった関連した事業を拡大していく

やり方というのは、すごく自然だし

分かる気がするのです。



しかしながら、今回のニンニク栽培と

いった農業は全く異分野。


全く最初は知見が無かったと思いますし、

事業として成立させるまでに様々な

ご苦労があったのだろうと思います。



私は当事者ではないので、

そのあたりの詳しいことはわかりません。


ただ、今回、大事だなと思ったのは、

自社の「閑散期を埋めよう」とした

その発想。


それも全く知見のない事業で

「閑散期を埋める」という発想です。


これは参考になります。



一年を通して平均的な仕事量がある

という企業さんはいいでしょう。


でも私が知っている企業さんでは、

どうしても仕事の繁閑が発生してしまう

というところも結構多かったりします。



そうなると問題になるのは、

固定費の負担による採算の悪化です。


特に多くの企業では固定費に占める

人件費の割合というのが大きい。


ですので、単月で見ると、

仕事が多い月は黒字だけど、

暇な月は人件費含む固定費の圧迫により

赤字ということがおこっています。



普通は、ある程度は派遣やパートさんの

人数調整もされているかもしれません。


ただ、最近は派遣やパートさんも

そう簡単に見つからなかったりします。


結果として、多めの人材を抱えている

というところも多いように思います。



そして、ここに来て、

物価上昇のあおりを受け、

企業への賃上げ圧力も強くなって

きています。


ユニクロが最大で年収4割増にする

というのも発表しました。


ただ、一般的な中小企業では、そんな

体力のある企業は少ないと思います。


逆に今の燃料や材料高騰の現状を

踏まえると、賃上げどころか、

賃下げしないと経営が苦しい

という企業さんも多いのでは

ないでしょうか?



その時に考えなくてはならないことの

ひとつが、

「閑散期を埋める」

という発想ではないかと思うのです。


閑散期に何かこれまでとは違う別の仕事を

確保して、売上アップと人材の有効活用を

行い、収益を確保できる体制を構築する。



今回のナカバヤシの兵庫工場では

ありませんが、時代の流れでどうしても、

減少していく仕事もあります。


ある程度仕事量が確保できて、

多少閑散期があっても収益を確保

できているうちはいいですが、

それもできないくらいになってしまうと、

閑散期に何か別の仕事をしてバランスを

とるしかありません。



新しいこと、特に全くの異分野に

進出することはそんな簡単なことでは

ありません。


また、すぐに事業として安定させることも

難しいでしょう。


ですから、体力があるうちに

4、5年先、或いはその先を見据えて

考えて行く必要があると思うのです。



ナカバヤシは大手だからできる

という面もあるのかもしれません。


でも、今回の兵庫工場に限って言えば、

100名程の人員です。


人数だけ見ると、中小企業と変わりません。



結局、大手だろうが、中小だろうが、

自社を守るためには自社でリスクを

回避する手段を考えて

取り組んでいくしかないのは事実です。



今回のナカバヤシのように

事業を多角化している企業は

大企業であれ、中小企業であれ

たくさんあります。


でも、個人的には多角化というのは

環境変化に対応していくために

企業が自分達の事業を改良していった

結果でしかないと思うのです。


いわゆる企業が進化した結果の姿

だと思うのです。


それは全く関係のない分野への

多角化も含めてです。



今回のコロナではありませんが、

企業を取り巻く環境はどんどん変化

していっています。


その中で生き残るには、ずっと同じでは

いけないのだと思います。


環境に合わせて

少しずつ変えていくところ

ドラスティックにかえていくところ

まもるべきところ


そんな風に

先を見据えて自社事業について

整理しながら、どうすべきかを

もう一歩踏み込んで考えてみる。


そして、簡単ではないけれど、

新しい取組が必要なら、

時間をかけてでも

その事業に着手し育成していく



その結果が進化した企業の姿なのだと

思います。


ナカバヤシの取り組みを見て

そんなことを強く感じたのでした。



ご参考になれば幸いです。




☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

<今日のありがとう>

本当は面と向かって伝えたい

でも中々言えない自分がいます

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先先回のメルマガで、本棚などを

大移動させた話を少ししました。


本棚や家具を移動させるのって

重くて大変じゃないですか。



でも今回活躍してくれたのが

「らくらくヘルパーセット」

という道具です。



本棚や家具の下に、

うすい金属のついた道具を挟みこみ、

てこの原理で少し持ち上げる。


そして、四隅に車輪付きの小さな台車を

差し込んで、移動させるという道具です。



元々、家に買ってあったのですが

これまでは出番がありませんでした。


今回、試しに使ってみたのですが、

重い家具でも全然大丈夫です。


きちんとコツさえつかめば、

大概なものは移動できそうです。



実際、本棚と机の移動後も、

さらに重そうな洋服タンスにも

使ってみましたが無事移動できました。


まだ、3つほど、移動させたい

洋服タンスがあるので、

これですべて済みそうです。



移動は大変なので、業者に頼むしかないかな

と思っていたのですが、結局、

自分達ですべてできそうな気配です。



便利な道具があるもんですね。


おかげで助かりました。



ということで、今回は

このらくらくヘルパーセットと

そして、この道具を開発してくれた

企業さんに感謝です。


「ありがとうございました!」





最後までお読みいただき

ありがとうございました。


今日も素敵な一日になりますように!





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【発行責任者】金本 淳

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豊田市働き方改革アドバイザー・講師

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