「面倒くさい」が価値になる!付加価値を生む仕掛けづくりの秘訣とは?
- 金本 淳
- 6月24日
- 読了時間: 9分

皆様に幸運が訪れますように!! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
心動かす企業経営 vol.518
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<「面倒くさい」が価値になる!
付加価値を生む仕掛けづくりの秘訣とは?>
おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の
金本淳(かねもとあつし)です。
企業経営で大事なこと、それは「付加価値を提供できるかどうか」ではないでしょうか?
単にモノやサービスそのものだけの価値で他社と差別化するのは難しい時代になってきています。
だからこそ、その企業やお店ならではの付加価値をつけお客様の満足度を高める必要があります。
ただ、付加価値のつけ方といっても、どうやったらいいのか?
みんなが同じ様に取り組んでいるので独自の付加価値を出すのが難しい
というのもあるかと思います。
ということで、
今回はちょっとユニークな付加価値をつけている企業の事例をもとに、中小企業にも参考になる付加価値のつけ方について考えてみたいと思います。
皆さん、「トキキル」という洋服ブランドを御存じでしょうか?
この洋服ブランド、一着一着の服に、ナント「謎」が隠されています。
そして、その隠された謎を解かなければ購入できないのです。
それだけでもかなりユニークなのですが、それ以外にも、購入プロセス全体がちょっと普通の洋服ブランドとは一線を画すユニークなものとなっています。
先ず、常設の店舗がないということ。
定期的にどこかでポップアップストアが開催されるというやり方なので、いつでも買える訳ではない。
それから、そのポップアップストアの入店も誰でも入れる訳ではないということ。
事前にチケットを購入する、
ネットで出される暗号を解読して入店の権利を先着順で得る、
など入店するにも権利が必要なのです。
しかも人気があるので、競争も激しい。
さらに、たとえ店に入れたとしても、今度は入店時間も制限時間があるということ。
その時間内に気に入った服があれば、謎を解く。 それができて初めて購入できるのです。
ECサイトでの販売もあるようですが、こちらも簡単には購入できません。
300秒限定販売でその時間内に暗号を解かないと購入できない
などのしかけがあったりします。
「たかが服を買うために、なぜそれほどまで苦労しなければならないのか?」
と疑問に思う人もいるでしょう。
「面倒くさいから嫌だ」
という人もいるでしょう?
むしろそういう人が大半かもしれません。
では、なぜ購入までにわざわざ面倒なプロセスを踏まないといけない洋服ブランドが、人気を博しているのでしょうか?
それを見ていきましょう。
私たちが一般的に服を購入する際に重視するのは何でしょうか?
やはり一番重視するのは、”見た目のデザイン”という人が多いでしょう。
もちろん自分の体形や雰囲気に合うかというのも大事です。
そして、それ以外は
作りがしっかりしているか、
着心地はいいか、
洗っても型崩れや色落ちしないか、
など。
つまりデザインと機能性に関わるようなところですよね。
そこがあって、あとは価格とのバランス
それらを総合的に見て、買う価値があるかどうかを判断する
というのが一般的だと思います。
あとはもちろん元々お気に入りのブランドというのもあるでしょう。
ただ、それも前述している「デザインのテイストなどが好きで自分に合うから」というのに含まれるでしょう。
やはり普通に考えると、私たちが服を選ぶ際の重視点は、
服という商品の本質となる「デザインと機能」なのです。
だからこそ、多くの洋服ブランドは先ずはデザインや機能性を磨こうとする。
それは納得いただけると思います。
ただ、今の時代、「デザインや機能」といった商品そのものだけでの差別化には限界がある。だから各社何とかして服そのもの以外での付加価値をつけようとする。
例えば、
広告宣伝活動、お店のディスプレイ、内装の雰囲気づくり、あるいは接客方法
そういったものを通じて、
ブランドイメージを高めたり、
顧客満足度を向上させる
といったことに取組みます。
そういった付加価値のつけ方が、一般的な洋服ブランドのやり方です。
でも、トキキルは少し違う。
従来の洋服とは違った発想での付加価値のつけ方をしているのです。
普通の洋服だと実店舗があり、
当然お店には誰でも入店できる
お金を出せばだれでも手に入れられる。
また、今はネット時代なので、
お店に行かずしても、クリックひとつで服が買ってもらえるようにして、顧客の利便性を高める
というのが洋服業界では当たり前の時代
でもトキキルはその当たり前を逆手にとって、そこに付加価値を生み出している
お店は常設ではなく、ポップアップイベントで開催。
しかも入店するにも権利を勝ちとらないといけない。
そのやり方も、
暗号を解読して権利を勝ち取る
チケットを入手して権利を勝ち取る
など、
その時々により様々な工夫(ハードル?)が仕掛けられている
そうやってわざわざ、お店に誰でも簡単に入れないようにしている。
また、お店に入って、気に入った商品が見つかっても、謎を解かない限りは買えない。
つまり、
お金を出すからといっても手に入れられる訳でもない
そういった一見「面倒な購入プロセス」をしかけることで、手間を付加価値に
変えてしまっているのです。
それはお客様の声が物語っています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「服には普段、無頓着だけれど初めて行った!描かれた謎を解くと買えるという企画自体が面白いなと思いました」
「スタッフさんと気軽に話せる空間がすごく良かったです」
「解けないと、着れない。超楽しいお買い物体験だった!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(fashiontech news 2024.10.10記事に掲載のお客様の声より引用)
その声を見ると、いずれもポジティブな声です。
お客さんが一連の購入プロセスを通して得られる「体験」を楽しんでいるのがよくわかります。
また、トキキルは単にユニークなことばかりに力を入れている訳ではありません。
通常の洋服ブランドが行う接客の部分にもこだわっているのです。
例えば、
店舗のスタッフは、普段謎解き公演・体験型イベントでスタッフ・キャストをしている人を採用している。
どのようなヒント出しが適しているかなど、お客様満足の向上のために常に話し合っている
など。
そんな訓練されたプロのスタッフとコミュニケーションしながら難しい謎解きに挑戦する。
そして、謎が解けた時にはスタッフと一緒に歓喜の声をあげて喜ぶ体験ができる。
そんなところも付加価値のひとつになっているのです。
以上のように
「謎解き」
というひとつのキーワードを軸に、トキキルは、 購入前から購入後までのプロセスの中に、 「希少性と様々な体験」を上手く組み合わせた付加価値 を提供しているのです。
これは、人間の心理を上手く利用したマーケティング施策だと思います。
・簡単に手に入れられるより、苦労して手に入れた時のほうがより達成感や満足度が高まりやすい
・お金を出せば誰でも購入できる訳でもないので希少なものを所有している満足感を感じられる。
・服を売るスタッフではなく、謎解きのプロであるスタッフと一緒にコミュニケーションをとりながら、謎解きを行うので楽しい。また謎がとけた際に一緒に喜びを共有できる充実感を味わえる。
・来店一回ですべての謎が解けるわけではないので、また行きたくなる。
・服に謎が隠されているので、服を買って終わりではなく、それを着て周りの人に出題できるのでコミュニケーションが広がる
など
また、トキキルのスゴイところは、
「謎解き」という体験を折り込むことで、単に、ファッションに興味がある層だけでなく、普段はファッションに興味のない層まで取り込んでいる
ところだと思います。
ということでいかがでしたでしょうか?
こうやって見ると、
付加価値のつけ方って考え方次第ではまだまだ色んな発想が出来るのではないかと私は思いました。
一般的な業界の常識から少し離れて考えてみる。
そこに何かヒントがありそうです。
皆さんの業種/業態でも、今回の例を参考に少し考えてみてはいかがでしょうか?
ご参考になれば幸いです。
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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6月21日の夏至でした。
今年の夏至はちょっと特別で太陽が最も高く昇る”南中”が、日本の中心である皇居と重なるということでした。
夏至は太陽のエネルギーが一番強くなり、この日に誓いを立てるとよい
とのことでしたので、私も自分なりに自分がこれからどうありたいのかをあらためて考えて
書き残すことにしました。
誓いの通り、今後なれるように頑張っていきたいと思っています。
それはさておき
考えたら太陽ってすごいですよね。
私たちは太陽の恩恵を数知れない程沢山うけています。
そもそも太陽がなかったら私たちは生きていくことができませんしね。
誰がこの絶妙なしくみつくったのかはわかりませんが、夏至の過ぎた今この時に改めて太陽に感謝したいと思いました。
沢山の恵みを本当にありがとうございます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も素敵な一日になりますように!
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