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心動かす企業経営 vol.214
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<出勤日、出勤時間、いつでもOK>
おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の
金本淳(かねもとあつし)です。
多くの企業では、パート従業員さんを
雇用されていると思います。
そのパート従業員の方に関して、
このような話をよく耳にします。
「定着せずにすぐに辞めてしまう」
「子供さんの病気などで急な欠勤があり、
生産シフトに影響が出てしまうことがある」
皆さんの会社では思い当たるところは
ありますか?
どの企業さんでも多かれ少なかれ
こういった問題はあるのでは
ないかと思います。
では、こういった問題は
仕方のないことなのでしょうか?
ある大阪の企業が、
このパートさんの働き方に関して、
面白い取組みをされています。
パプアニューギニア海産という
企業さんで、社名通り
パプアニューギニアから輸入した
天然エビを、工場で
むきエビやエビフライなどに
加工して販売する会社です。
ここは
「好きな日に働き、
嫌いな仕事はしなくていい」
という会社です。
この会社は、工場が稼働している
日程の中なら、いつ出勤して
いつ帰っても自由なのです。
誰にも何にも連絡しなくて、
勝手に会社に来て働き、
勝手に好きな時に帰って良いのです。
しかも自分の嫌いな仕事はしなくていい。
自分の好きな仕事を選べるように
なっているのです。
「出勤、欠勤の事前連絡は禁止」
それは、働く人のストレスを
なくすためなのです。
パートの方は、小さい子を
抱えていらっしゃる方も多い。
子どもが熱を出したりして急に
休まなければならないことも多いです。
その時に、毎回欠勤の連絡を
しなければならないことが、
大きなストレスになるだろう
いつでも気兼ねなく休めるには
どうしたらよいか、
と考えた結果なのです。
確かに、自分がサラリーマン時代でも、
病気や家庭の事情で、
急に休まなければならなくなった時に
そのストレスは感じていました。
色々言う上司の場合はもとより、
そうでなくても、何か後ろめたい
気持ちがわいて、
「連絡しづらいなあ」
と思ったこともあります。
「こんなので成り立つの?」
と思うかもしれません。
でも成り立っているのです。
成り立っているどころか、
こういう制度を導入する以前よりも
生産性は大幅に上がっているそうです。
そして、
「こんなことしたら誰も出勤しなくて
困る日があるんじゃないか?」
と思うかもしれません。
でも2016年にこのやり方を
始めてから、誰も来なかった日は
一度だけだそうです。
その日も別に困ったわけではなかった。
パート従業員が誰も来なくて、
生産できなくても、社長ともう一人の
従業員で、配送のための梱包準備に
専念し、商品を作ることは
しなかったとのこと。
生産量に関しては、一日単位で考えると
生産量もばらつくが、
週や1か月単位では問題ないそうです。
パート従業員さんたちも、大体、
1か月でこれくらい稼ぎたいというのが
あるので、月単位では働く時間は
大体決まっています。
そのため、日単位では生産量は
ばらついても、週や月では帳尻が
あうようになっているみたいです。
また、日々の材料調達や仕込みに
ついても問題はありません。
この会社は、もともと冷凍の状態で
エビをパプアニューギニアから輸入し、
加工する前に解凍しています。
だから解凍する量を、出勤者の状況を
みながら調節すれば、材料の手配は
問題ないのです。
それから、
「嫌いな仕事はやらなくてもいい」
というのも、うまくできてます。
一見そんな風にすると、
「みんな同じような仕事に集中して
しまうんじゃないの?」
と思うかもしれませんが
これも問題ありません。
同社では、2か月に一度、
30以上ある作業工程に関して
アンケートをとっています。
「大好き、好き、嫌い、どちらでもない」
という4段階評価です。
そのアンケート結果をみると、
面白いように好みがうまく
分かれているようです。
人によって、得意不得意、好き嫌いが
全く違うということなんでしょう。
この会社、もともとは、
一般的な企業と同様、
生産シフトを組むために、
パート従業員の出勤日、出勤時間を
事前に調整していました。
そして、欠勤や早退遅刻に関しては、
事前連絡も含め書類で管理することを
徹底していました。
ところが、そうやって一般的な
管理をしていた時は、
従業員同士の関係、あるいは、
社長との関係性も良くなかったそうです。
派閥ができたり、パート同士で
罵り合ったりしていたり。
また入社しても数週間で
やめていく人も多かったそうです。
でもそれではいけないということで、
この「フリースケジュール制」
を導入することを決意した。
その結果、従業員との関係性も良好になり、
人も辞めなくなった。
辞めないから新しく人に教える時間が減った。
一人一人の熟練度も上がった。
従業員からも色々提案が出るようになった。
結果、生産性も向上。
さらに、自社ホームページで
採用募集をかけると、
非常にたくさんの人が集まる。
いいことばかりで、デメリットは
全くありません
以下は社長の武藤北斗さんの言葉からの引用です
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昔の私は目先の作業効率に
囚われたがために、人までも機械と
同じように管理しようとしていました。
しかし当たり前のことではありますが、
一人ひとりに感情があり、好き嫌いや
得手不得手があり、個人の生活が
あるなかでは、人を管理できない現実に
向き合うことになりました。
そのことに腹を立ててはさらに管理を
厳しくする。
そんなことを繰り返していた昔の職場では
働きやすいわけがなく、もちろん
おいしい食べものをつくることが
出来ていなかったのでは、
と反省しています。
4年前から自分たちにあった働き方に
変えていくことを決心しました。
目指したのは
「誰もが働きやすい職場」
であり、
従業員が
「この会社が好きだと思って
もらえるような職場」
です。
一人ひとりの違いを受け止め、
人を信じることからルールを作り、
お互いが協力できる環境を
整えていきました。
今まで私が勝手に恐れることで
作っていた縛りを解いていったのです。
すると自然と効率は上がり、
品質も上がりました。
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私は、何も、パプアニューギニア海産の
やり方すべてをそのまま真似してください
と言ってる訳ではありません。
ただ、どんな企業でも、
この考え方を参考にして、
自社ならではの施策を導入検討することは
可能だと思うのです。
「自社の従業員が、ストレスを
感じているところはどんなところに
あるのだろうか?」
そして
「それら少しでも取り除いてあげるには
どうすればいいんだろうか?」
と考えてみれば、何かヒントが
見つかるのではないかと思います。
例えば、
「急な欠勤については、連絡しなくていい」
というのは難しいかもしれません。
でも、こんな風にはできると思います。
「うちの会社は、急な欠勤は仕方がないと
考えます。
小さい子供がいるうちはみんなお互い様です。
誰にでも急な家庭の事情で休まなければ
ならない時があります。
だから遠慮せずに急な事態が発生した
場合には、休みましょう。
その分はみんなで助け合いカバーする
ようにしましょう。
それがうちの会社のやり方です。」
というのを常日頃からみんなに徹底する。
それだけでも働く人のストレスを
軽減できるのではないでしょうか?
従業員満足の低い会社は、
いくら頑張ってもよい結果を出せない
と私は思っています。
みなさんのところでも色々な取り組みを
既にされているかと思いますが、
今回のお話がまた何か新たなヒントに
なればうれしく思います。
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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日曜日の夜、バックステージという
TV番組を見ていました。
どんな家電でも直してしまう達人の方を
紹介していました。
その方は、三重県の山間部に住んで
いらっしゃるようですが、全国各地から
家電の修理の依頼が来ます。
古い家電で、もうメーカーに頼んでも
部品もなく、修理できないようなもの。
どれも、何かしら思い入れの強い商品で
大切にしていたものだけど、
壊れてしまったので、何とかできないかと
いうようなものばかりです。
紹介されていた修理依頼のひとつで、
オーディオアンプの修理がありました。
もう40年くらい前のもので、
昔依頼者の方が、今は亡き奥様と、
夜ブランデーかワインか忘れましたが、
お酒を飲みながら、そのアンプで
ジャズを聴いていたという思い出の品
だそうです。
久しぶりにその奥様との思い出に
浸りたいということで、音楽でも
聴いてみようかと思ったら、
音が上手くでない
ということで修理依頼されたようです。
その家電修理人の方はとても素敵な方
でした。
修理することが好きで仕方がないと
いうのも感じましたし、それと同時に、
絶対に大切な商品を直してあげたい!
という強い気持ちがひしひしと
伝わってきました。
また、その表情が何とも言えない
とてもいい顔をされていました。
そういう大切な思いの詰まった家電を
修理することで、人々に笑顔と幸せな
気持ちを運ぶ、その方の職業は素敵だなあ
と思いました。
そして、自分もあんな風に、仕事を通じて
人に感動を与えられているか?
と改めて振り返るいい機会になりました。
そんな気持ちにさせてくれた
あの素晴らしい家電修理人の方に
感謝です。
世の中には本当に、自分たちが知らない
素敵な人がたくさんいるんですよね。
「ありがとうございました」
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
今日も素敵な一日になりますように!
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