中小企業こそ取り組むべき「従業員の睡眠改善」 業績を左右する見えない投資
- 金本 淳
- 9月30日
- 読了時間: 8分
更新日:9月30日

皆様に幸運が訪れますように!!
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心動かす企業経営 vol.529
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おはようございます。
フェリーゼス経営支援事務所の金本淳(かねもとあつし)です。
中小企業こそ取り組むべき「従業員の睡眠改善」が業績を変える
「睡眠時間の多さが企業の業績に直結する」
先日、古舘伊知郎さんと睡眠学者・柳沢正史教授の対談動画を見ていて、そんな調査結果があることを初めて知りました
(↓↓古舘伊知郎チャンネル)。
睡眠と言えば、私は、昔アトピーが色々な理由で悪化し、入院を余儀なくされ、ゾンビの様に肌がボロボロになり痒くて痒くて、全く眠れないという経験を何度もしました。
その時は本当に痒いのと眠れないのダブルパンチで、仕事をやれるような状態ではなかった。
睡眠不足が集中力を削ぎ、生産性を下げるということは自分自身が身をもって経験したことなので誰よりも身に染みて理解できています。
だからこそ、今回睡眠と企業業績というのにすごく興味が湧き、企業における睡眠改善の
取り組みを調べてみることにしました。
すると、従業員の睡眠の質を高めることは単なる健康施策ではなく、欠勤率の低下、生産性向上、離職防止などの経営課題の解決に直結することが見えてきました。もちろん「そんなのは大手企業だからできることだろう」と感じる中小企業経営者も少なくないでしょう。しかし、人材不足が慢性化する時代においては、むしろ中小企業こそ従業員の睡眠にまで踏み込むことが、競争力を維持するための重要な一手になると私は思います。
睡眠と企業業績の驚くべき関係
慶應義塾大学の山本勲教授の調査によれば、睡眠時間が上位20%に入る上場企業は、下位20%の企業と比べて売上高経常利益率が1.8〜2.0ポイント高いという結果が出ています。また、2年後に追跡調査を行うとその差はさらに広がっていたとのことです。わずかな睡眠時間の差が、企業の収益力に直結しているのです。
ただ残念なことに、日本は世界的に見ても「寝不足大国」。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟33カ国中で最も短く、平均より1時間以上も少ないことが明らかになっています。この状況を放置していては、生産性の低下や人材の疲弊を招き、企業の競争力を損なう恐れがあります。
欧米との意識の差
欧米では、職場であくびをすれば「体調が悪いの?帰って休んだ方がいい」と言われるのが普通です。それほど睡眠不足は“良くないこと”として認識されています。一方、日本では「寝ていない=頑張っている」という風潮すら残っており、長時間労働や寝不足が美徳のように扱われる場面も少なくありません。この意識の差が、日本の生産性の低さにつながっているのかもしれません。
知られざる「睡眠の力」
睡眠が心身に与える影響は計り知れません。柳沢先生はこんなことをおっしゃっていました。
脳と体を整える:深いノンレム睡眠のときに分泌される成長ホルモンは、子供が成長するためにはもちろんのこと、大人にとっても筋肉・肌・骨の細胞の修復に不可欠。
肥満防止:臨床実験では、1日4時間しか眠らせない生活を2週間続けると、内臓脂肪が11%も増えることがわかっています。睡眠不足は、食欲を抑えるホルモンを減少させ、逆に食欲を増すホルモンを増加させます。その結果、脂っこいものや甘いものをより欲するようになってしまう。ちなみに、メタボ・太り気味で寝不足の人を集めて普段より長く寝てください(他は一切変えないで)としたら痩せたという実験結果もあるとのこと。
学習効率の向上:全国でも学力がトップ校と言われる灘高校や筑波大附属駒場高校の生徒を対象としたアンケート調査では、7時間以上、場合によっては8時間以上の睡眠をとっていることがわかったそうです。学力が高い生徒の実力は、分な睡眠に支えられている。トップ校の生徒は睡眠の大切さにどこかで気づいたからでしょうとのこと。
睡眠は「痩せる」「頭が冴える」など即効性のある効果から、「病気を防ぐ」「長期的な健康を守る」といった人生の基盤まで、あらゆる側面を支えているようです。
日本の「明るすぎる部屋」が睡眠を妨げる
睡眠の質に関して、もう一つ見逃せないのが「光」の問題です。スマホを寝る前に見るのが良くないというのはよく耳にしますが、柳沢先生によると、それよりも家の照明が良くないと仰ってました。日本の住宅はリビングやダイニングが必要以上に明るく、外国人観光客からも「ホテルの照明がまぶしすぎる」と苦情が出るほどとのこと。せいぜい100ルクス程度、雰囲気のいいレストランくらいの明るさでいいそうです。
睡眠学的に見て、夜に明るすぎる照明は「悪」でしかなく、その理由は以下の3つとのことです。
光そのものに覚醒作用がある
夜の光は体内時計を遅らせる(「まだ昼だ」と脳が勘違いし、眠気が遠のく)
メラトニン分泌を抑制する(深部体温を下げ、睡眠を促すホルモンが出にくくなる。特に子どもへの影響は大きい)
大手企業の取り組みと中小企業の現実
大手企業ではすでに、睡眠セミナーや睡眠改善プログラムを導入し、実際に「よく眠れるようになった」という成果が報告されています。しかし中小企業にとっては、費用も時間もかかるこうした施策を導入するのは現実的ではありません。
では中小企業は何もできないのかというと、決してそうではありません。むしろ「お金をかけずにできること」を一つひとつ積み重ねれば、大手に負けない成果を出せる可能性は十分にあると思います。
中小企業でもできる!睡眠改善の実践方法
知識を共有する
睡眠に関する情報は世の中にあふれています。先程ご紹介した古舘さんのyoutubeや柳沢先生の書籍をはじめ、ネットや書籍等を活用し、社内の朝礼や連絡ツールなどで睡眠の大切さを共有することもできます。大切なのは「眠ることは大事だ」と従業員に気づきを与えることです。
社内で話し合う
勉強会を利用して、「どうすればもっとよく眠れるか」をテーマに、自分達でもできることを話し合い、それを実践していく。例えば、『月間良く寝たで賞』みたいなものを作り、受賞者には金一封が出るなど。誰かに言われたからやるのではなく、自分達で考えたことだからこそ実践できるのだと思います。勉強会なんてやってる時間はないと思うかもしれませんが、これは単なる勉強会ではありません。従業員同士のコミュニケーションを活性化する場でもあり、従業員同士の親睦、関係性向上という意味でもあります。また、こういう活動自体が精神的な安定につながり、眠りやすい環境をつくることにもなります。短期的な視点ではなく、中長期的な視点での効果を考える必要があると思います。
睡眠改善の前提にある「精神の健全性」
忘れてはならないのは、いくら睡眠に関する知識を与えても、実践するしないは従業員次第ということです。また、実践するにしても精神状態が安定していなければ眠れないということです。睡眠改善の前に会社として必要なのは、社内の人間関係や働く環境を整えたりして従業員の精神の健全性を保てるようにすること。
上司や同僚との関係が良好であること
仕事にやりがいや楽しさを感じられること
経営者が従業員を大切にしていると伝わること
こうした心理的安全性があってこそ、睡眠改善の取り組みは効果を発揮します。
まとめ:中小企業こそ睡眠改善に取り組むべき
「大手だからできるんでしょ」と思うかもしれません。しかし、人材が限られている中小企業だからこそ、一人ひとりのパフォーマンス低下が企業全体に直結します。だからこそ睡眠改善は、中小企業にとってこそ優先度の高い経営課題と言えるのではないかと思います。
取り組むのに大きなお金や時間は必要ありません。小さな工夫を積み重ねることで、従業員の健康が守られ、仕事の効率も上がります。また、何よりも大切なのは、会社の生産性云々よりも、大切な従業員の健康を気づかうという姿勢だと思います。従業員を大切に想う気持ちが大きければ大きい程、それは従業員にも伝わります。そして、そういう企業であればこそ「社員の幸せまで考えてくれる会社」としての魅力が高まり、やる気や生産性の向上にだけでなく、人材確保の面でも大きな強みになっていくのではないかと思います。
睡眠改善は、単なる健康管理の話ではなく、企業がこれからの時代を生き抜くための戦略的投資のひとつだと思います。まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか?
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<今日のありがとう>
本当は面と向かって伝えたい
でも中々言えない自分がいます
だからこの場を借りて少し...
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先日、息子の学校の学園祭に行ってきました。
自分が子供の頃以来ですが、なかなか興味深いものが多くすごくいい体験ができました。
各クラスそれぞれに工夫していて、どのクラスの出し物もすごくよく出来ていました。
お化け屋敷
サバゲー
ちょっとしたアトラクション
ゲーム
劇
など
地球環境をテーマにしたものも多く、時代を感じさせるなあと思いました
2時間くらい見れば十分だろうと考えて家を出ましたが、全然そんな時間では足りません。
結局、ほんの一部しか見ることができませんでした。でもすごくワクワクしました。
しかし、頑張って皆でつくりあげて、そして、来場する人たちを楽しませようとそれぞれが役割を持って頑張る生徒さんたちを見ていると胸がじーんとなりました。
大人になってもそうですが、また、これは企業経営でも言えることだと思いますが、ひとつの目的に向かって皆で力を合わせてやり遂げるというのはすごく達成感がありますし、
周りからみても感動を呼ぶものだとつくづく思いました。
そんないいものを見せていただいた生徒さんたちにホント感謝です。
ありがとう!
また、来年楽しみにしています!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
今日も素敵な一日になりますように!
◆読者からの励ましの声が、
何よりもエネルギーになります。
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